強い歯の痛みで来院された患者さまの症例
虫歯が進行すると、歯の内部にある「神経(歯髄)」まで細菌が感染してしまうことがあります。このような場合、歯の神経を取り除き、歯の内部をきれいに消毒する 根管治療(こんかんちりょう) が必要になります。
根管治療は、歯を抜かずに残すために行う大切な治療です。ここでは、当院で行った根管治療の症例をご紹介します。
来院時の症状
今回ご紹介する患者さまは、40代の男性です。次のような症状をきっかけに当院へ来院されました。
・何もしなくても歯がズキズキ痛む
・温かいものを飲むと強く痛む
・噛むと歯に痛みを感じる
・夜になると痛みが強くなる
患者さまは数日前から痛みを感じていたものの、徐々に痛みが強くなり、日常生活にも支障が出てきたため受診されました。
検査と診断
来院後は、痛みの原因を特定するために詳しい検査を行いました。
主な検査内容は次の通りです。
・視診(歯の状態の確認)
・レントゲン検査
・打診検査(歯を軽く叩いて痛みを確認)
・温度刺激による反応の確認
検査の結果、奥歯の虫歯が神経まで進行し、歯の神経に炎症が起きている状態が確認されました。この状態は 歯髄炎(しずいえん) と呼ばれ、神経を残すことが難しいため根管治療を行う必要があります。
患者さまには現在の歯の状態と治療内容について丁寧に説明し、歯を残すための治療として根管治療を行うことになりました。
当院で行った治療
患者さまの症状を改善し、歯を残すために以下の治療を行いました。
神経の除去(抜髄)
まず、虫歯を取り除き、感染している歯の神経を丁寧に取り除きました。
歯の内部には「根管」と呼ばれる細い管があります。ここに細菌が入り込んでいるため、専用の器具を使用して神経や感染した組織を除去します。
根管内の清掃と消毒
神経を取り除いた後は、根管の内部をきれいに洗浄し、消毒を行いました。
根管は非常に細く複雑な形をしているため、数回に分けて丁寧に清掃と消毒を行います。細菌をできるだけ取り除くことで、再感染を防ぐことができます。
根管充填(根の中を封鎖)
根管内が十分にきれいになったことを確認した後、根の中に専用の薬剤を詰めて密閉する 根管充填 を行いました。
これにより、細菌が再び侵入するのを防ぎます。
被せ物による歯の修復
根管治療が終わった歯は、強度が弱くなることがあります。そのため、歯を保護するために被せ物(クラウン)を装着して歯の機能を回復させました。
被せ物によって、見た目だけでなく噛む機能も改善されます。
治療前の状態
治療開始時には、次のような状態が確認されました。
・歯の内部まで進行した虫歯
・歯の神経の強い炎症
・噛むと痛みが出る状態
レントゲンで神経付近の炎症が確認
このまま放置すると、歯の根の先に膿がたまり、さらに症状が悪化する可能性があります。そのため、できるだけ早く感染した神経を取り除き、歯の内部を清潔な状態にすることが必要でした。
治療後の経過
治療後は、次のような改善が見られました。
・ズキズキする痛みがなくなった
・噛んだときの痛みが改善
・普段通り食事ができるようになった
患者さまからも「強い痛みがなくなり安心した」とのお声をいただきました。
今回の症例では、次のような治療スケジュールとなりました。
治療期間:約1〜2か月
通院回数:4〜6回程度
※歯の状態や感染の程度によって治療期間は異なります。